偏差値と上位パーセントの対応表

偏差値と上位パーセントの対応表を作成した。受験でよく言われるところの偏差値である。偏差値の数値自体は均等な何かを示しているわけではないので、できるだけ分かりやすい数値に変換してみる。

偏差値を感覚的に理解したい

偏差値というのは、母集団が正規分布をする前提で考えるものである。多くの人が集まって色々な特徴を測ってみると、平均値あたりの人が多く、上下に隔たったところで数が減っていくことが多い。このような経験値にも合っていることから、正規分布ということが前提とされている。

偏差値についてはこちらを参照 → 「偏差値とは何か?どのように偏差値が計算されるのか?

受験や模試等の学力テストでは、平均値を偏差値50になるように、そして平均値+-標準偏差(シグマσ)の位置が偏差値50+-10となるように調整される。これが標準スコアいわゆる偏差値である。これを学力偏差値ともいう。

これがわかるようでわかりにくい。もっと感覚的に理解したいと思って、下の表を作った。

偏差値60というのは、平均値から標準偏差(シグマσ)の位置であるので、上位から見ると15.87%となる。また、「何人?」というのは単純にその上位からのパーセントの逆数となる。何か感じるものがあるだろうと思って載せてみた。

偏差値50で「2人」というのは、2人に1人が偏差値50以上と想定されるということだ。要するに偏差値50というのはちょうど真ん中で、自分より下は2人に1人、自分より上も2人に1人という確率であるということだ。

偏差値75ともなると、161人に1人であるということで、161人中1番ということだ。偏差値75というと本当に高い数値だ。例えて言えば、おおよそ40人のクラスが4クラスある学校でほぼ一番であるくらいのイメージである。

実際のテストでは正規分布からは少し外れてこんな感じ(公立高校入試の得点分布)になっている。

実際にはテストはやってみないとわからないので、「案ずるより産むがやすし」という気持ちでまずは何でもやってみよう。

偏差値と上位パーセント・割合の表

偏差値 上位% 何人に一人?
80 0.13% 740.8
79 0.19% 536.0
78 0.26% 391.4
77 0.35% 288.4
76 0.47% 214.5
75 0.62% 161.0
74 0.82% 122.0
73 1.07% 93.2
72 1.39% 71.9
71 1.79% 56.0
70 2.28% 44.0
69 2.87% 34.8
68 3.59% 27.8
67 4.46% 22.4
66 5.48% 18.2
65 6.68% 15.0
64 8.08% 12.4
63 9.68% 10.3
62 11.51% 8.7
61 13.57% 7.4
60 15.87% 6.3
59 18.41% 5.4
58 21.19% 4.7
57 24.20% 4.1
56 27.43% 3.6
55 30.85% 3.2
54 34.46% 2.9
53 38.21% 2.6
52 42.07% 2.4
51 46.02% 2.2
50 50.00% 2.0

科学や産業界では

受験の偏差値では78くらいまでしかない。現実的に意味がないということだろう。ただ、標準偏差σ x 1=偏差値60であり、σ x 2=偏差値70の領域ということになるので、偏差値自体はもっと高い数値も理論的にはありうる。

偏差値 上位% 何人に一人?
85 0.02326291% 4,299
90 0.00316712% 31,574
95 0.00033977% 294,319
100 0.00002867% 3,488,556
105 0.00000190% 52,660,508
110 0.00000010% 1,013,594,635

偏差値110というと10億分の1ということで科学やエンジニアリングの世界で扱うレベルである。偏差値110が+6σにあたるのだが、モノづくりの品質管理で言うシックスシグマというのはこれとは違って、「約3.4ppm」=「約29万分の1」であるという。

品質管理の人がどう計算してそのような数字になったのか詳細は理解できていないが、「ゆらぎ」を考慮したためであるらしい。企業の中で開発や品質管理に関わっている人々にはまた別の厳しい世界があるということである。

上位の全体に占める割合を示すパーセンタイル

偏差値が40の時は、下から15.9%ということになる。偏差値が50の時は全体の真ん中で、これは先ほどと同じ。

偏差値が60になると、偏差値が下位からの分布の積み上げが84.1%になるということを示している。そこそこ良い感じに聞こえるが、相対評価の五段階では5にはちょっと足りないようである。

パーセンタイルは点数ではないが、イメージとしては点数のように感じ取ってもらえると良いかと思う。

偏差値 パーセンタイル
83 100.0
82 99.9
81 99.9
80 99.9
79 99.8
78 99.7
77 99.7
76 99.5
75 99.4
74 99.2
73 98.9
72 98.6
71 98.2
70 97.7
69 97.1
68 96.4
67 95.5
66 94.5
65 93.3
64 91.9
63 90.3
62 88.5
61 86.4
60 84.1
59 81.6
58 78.8
57 75.8
56 72.6
55 69.1
54 65.5
53 61.8
52 57.9
51 54.0
50 50.0
49 46.0
48 42.1
47 38.2
46 34.5
45 30.9
44 27.4
43 24.2
42 21.2
41 18.4
40 15.9
39 13.6
38 11.5
37 9.7
36 8.1
35 6.7
34 5.5
33 4.5
32 3.6
31 2.9
30 2.3
29 1.8
28 1.4
27 1.1
26 0.8
25 0.6
24 0.5
23 0.3
22 0.3
21 0.2
20 0.1
19 0.1
18 0.1
17 0.0

偏差値と順位の対応

偏差値50未満の場合にどうなるのか。上のパーセンタイルでも掴めるのだけれど別の方法で表現する。

また順位で示すとどうなるのか、次の記事で補足説明する。
→「偏差値と順位との対応

偏差値と順位との対応

前の記事の「偏差値と上位パーセントの対応表」で、不足している情報があったので補足する。

偏差値と順位との対応

前の記事で、偏差値50以上だけを表記していたのは、上位パーセントを示していたからだ。正規分布は偏差値50を中心とした左右対称だから、偏差値60は上位15.87%であるということは、偏差値40は下位から15.87%ということになる。

正規分布の形は、左右対象である。

偏差値60は、比率で計算すると6.3人に1人ということになり、その反対側の偏差値40では、1.19人に1人ということになる。

1.19人に1人と言っても、これでは全く意味がわからない。1/(1-(1/1.19))と計算すれば約6.3となり、左右対称になっていることが分かる。でもこれはこれでまたピンとこない。

このように同じ意味ではあっても、低い方からのパーセントで言われるのは何だか非常に感じが悪い。

そんなわけで、上位からの順位を示してみた。1000人いる場合の順位を表にしてみた。偏差値80と79の差が出なかったので、小数点以下第一位まで表記した。(学力偏差値について言えば、小数点以下は実質誤差であってあまり意味がないので、気にしなくて良い。)

 

順位(1000人中の順位)

偏差値 順位
80 1.3
79 1.9
78 2.6
77 3.5
76 4.7
75 6.2
74 8.2
73 10.7
72 13.9
71 17.9
70 22.8
69 28.7
68 35.9
67 44.6
66 54.8
65 66.8
64 80.8
63 96.8
62 115.1
61 135.7
60 158.7
59 184.1
58 211.9
57 242.0
56 274.3
55 308.5
54 344.6
53 382.1
52 420.7
51 460.2
50 500.0
49 539.8
48 579.3
47 617.9
46 655.4
45 691.5
44 725.7
42 788.1
41 815.9
40 841.3
39 864.3
38 884.9
37 903.2
36 919.2
35 933.2
34 945.2
33 955.4
32 964.1
31 971.3
30 977.2

偏差値30未満も簡単に計算はできるけれど、学力テストに関して言えば不要であろうと考えて省略した。